南極大紀行


マクマード基地の夏季人口は優に千人を超えますが、
研究者の数は意外と少なく、逆に、いわゆる研究のサポート的役割を
していただいている方は全体の約3分の2にのぼります。
私たちの生活や研究は彼らを始めとする多くの方々の
存在があってこそのものです。また、総じて老若男女に渡って
幅広い人口分布を持っていることも印象的です。


NSBF南極気球実験の総責任者、
キャンペーン・マネージャーの
デーブさん。いつも細かいところ
まで気を使って頂きました。
ティナさんとドンさんの御夫妻。
ティナさんは気球実験のマネージャーを、
ドンさんはサイプル・ドームのチーフを
務めています。夫婦揃って南極を職場と
する方は珍しくないようです。また、この
御夫婦のように北半球の夏はアラスカや
カナダで暮らし、南半球の夏季を毎年
南極で過ごす方も少なくないようです。
(左): NSBFの若手のホープ、
マークさん。回収の作業を始め、いつ
も親切に作業を手伝って頂きました。

(右): ウィリアムズ・フィールドでの
日常生活を支えて下さったアンさん。
実は名の通ったスキー冒険家で、
南北両極域へ多数の冒険経験を
お持ちです。
(左): 調理場の手伝いをしている
カールさん。実はジャーナリストです。
(右): 基地周辺の送迎車の運転手を
しているジョンさん。実は教師です。

南極での諸々の業務を担当している
Raytheon社などでは様々なアルバイト員
を募集しており、学生から定年退職した方
まで、南極に憧れる人々の夢の受け皿と
なっています。そのまま南極に魅せられて
正社員となる方もいらっしゃるようです。
去る11月12日には、いつもお世話に
なっている方々をウィリアムズ・フィールド
にお招きし、気球プロジェクトの御紹介を
すると共に団欒の会を催しました。定員を
超える参加があり、しかも皆、科学的探究
心がとても旺盛なことに感銘を受けました。

なお、BESS-Polar実験は、ISAS/JAXA と NASA を代表機関とする、
宇宙科学分野における日米政府間協力実施取り極め(2003年7月)に
基づき推進されています。日本では文部科学省科学研究費補助金、
米国ではNASAの研究費を得て、研究が進められています。
科学観測気球の打ち上げはNASA/NSBF(米国立科学気球施設)
が担当し、南極での気球飛翔を含むマクマード基地での活動は
NSF(米国立科学財団)によって運営されています。
実験の推進に当たってお世話になった全ての方々に感謝申し上げます。